「あ、おかえり、逢」?
「ふふ。ただいまです、先輩。お茶、淹れてきましたよ」
「お、いいね。ありがとう」
「どういたしまして」
「寒くなってきたもんな。やっぱりこの季節になると、あたたかいお茶が恋しくなるよ」
「……ふふ。私もそう思います。あ、熱いので気をつけてくださいね」
「うん。……ふー……はぁ……沁みわたるな……逢が淹れてくれたお茶……」
「そうですか? お茶くらい、毎日でも淹れてあげますけど」
「……」
「……どうか、しましたか?」
「逢」
「は、はい」
「……それ、プロポーズ?」
「……え、あ、いや、その……それは……」
「あはは、ごめんごめん。冗談だよ」
「……も、もう。先輩は、ホントに……恥ずかしいことを、平気で言うんですから……」
「え、そ、そうかな」
「そうですよ。思い出してください。ほら、プールで覗いていたのがばれた時」
「……………………あ」
「みんなの前で、む、……胸の話を、熱弁して……あの時は、もう……」
「そ、そんなことも、あったね……」
「あの後、すごく恥ずかしかったんですよ? みんな先輩のこと変態って思いこんでたし、私との関係を聞かれたりして!」
「そうだったのか……」
「そうです。彼氏なの、とか、彼氏じゃないの、とか、もう色々。みんな良い人ですから、その日だけでしたけど」
「ご、ごめん。でも、あの時は必死で……その、逢を怒らせたんじゃないか、って思って……」
「…………」
「……逢ー……」
「……ふふ」
「……!」
「分かってますよ、先輩。もう、いい思い出です。あれでこそ先輩らしい、って思えますしね」
「逢……」
「あ、それより」
「ん?」
「お茶請け」
「え……」
「お茶請け、持ってくるの忘れてました。家から水ようかん持ってきていたんですけど、台所に置き忘れちゃいましたね」
「あ、そうだったのか」
「はい。取ってきますね」
「いや」
「?」
「僕が行くよ、逢」
「え、でも」
「お茶、淹れてきてくれたからね。今度は僕の番」
「いえ、そんな、気にしなくても……」
「それに、外は寒いからね。体が冷えて、風邪をひくのが一番ダメだから」
「……先輩、でも」
「えっと、机の上、かな?」
「は、はい」
「じゃ、行ってくるね」
「……あ、……」
「……ふふっ。……こういうところ、……やっぱり、先輩、だな……」
つづく
今回はアニメ・アマガミSSで七咲逢篇が始まったのを記念したプチSSの第二話でございますw
会話編だけで進める、というのは結構新鮮なのですが、文章の基本を学んでいるようで、楽しいですね。
来週二話、と先週言ったのですが、やはり一話にて(笑)。BS合わせで完結させようかな、と思っております
ちなみに、アニメをご覧になった方は「あ」と思われたかもしれませんが、アニメ版の内容を
会話にフィードバックしています(笑)。記念SSですから、楽しめるように、とやってみましたw
そうそう、ここをお読みの皆さまは七咲さんスキーの方が多かろうと思いますが、
七咲さん篇のエンディング「恋はみずいろ」聴かれましたでしょうか!?
ウチも雑記で呟いていますが、あれほどのキャラクターソングはそうそうない、と言える、というかむしろ
ウチの人生で一番いい、と言えるほどのキャラクターソングになっている、と思いましたね。
曲自体が、「七咲逢」になっている、と言いますか。もし「聴いたことない!」という方がいらっしゃいましたら、
是非ご試聴をばw とても素晴らしい、しっとり聴かせる曲になっている、と思いましたよw
七咲さんスキーには文句無しでおススメ出来るかなー、とか考えております。
それでは、お読み頂きましてありがとうございました!<(_ _)>
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