2026年、元日午后。

 正月タコパとは、嵐であった。

 そう述懐せざるを得ない。『たこ焼きパーティー』が、何故そうなるのか。正直なところ、衛宮士郎その人が一番聞きたいところである。

 ともあれ、お正月。もともと千客万来で定評のある衛宮邸に、この地を比較的平穏な行楽地と見定めた何名か??もとい、何騎かが参集し、元日昼下がりにタコパを開催。

 その球体のコナもんが、あたかも小地球であるかのように、あらゆる悪逆めいた中身が投入され、結果的に錬金術的ふしぎが起きて、そこそこ美味しめのたこ焼きが大量に生産される……という、HAPPY ENDで終わった、のであるが。

 まあ、その過程の問題である。
 嵐が過ぎ去った後にしか、凪の日は来ないのである。
 入れるモノ、ひっくり返すタイミング、エトセトラ。
 ここまで、よく家がもったものだ、と思うわけでもあったりする。

「まあ、賑やかな時の円卓のようなもので」
「えぇ……?」

 とはいえ、確かに「真面目に寄っていない」円卓の騎士は、相当はっちゃけた連中であり、台所に立つセイバーがにこやかに語ることができるのも、そうした日々に慣れていたから、ということなのだろう。

 ともあれ。

「お茶、入りましたよ」
「さんきゅ。……沁みるなぁ……」
「そうだねぇ。まさか彼女に、お茶をふるまわれる日が来るとは」

 セイバーが、台所から、淹れたての煎茶を持ってきてくれた。
 横に座っている花の魔術師(※タコパ混乱の主犯)=サンには、いつか、モノ申さなければいけない、とも思いつつ。

「来客に分け隔てがあってはいけません。その程度のことは、弁えていますよ」
「ん。確かに、そういう意味ではブリテンの城中と変わりない、か」

 穏やかに、お茶を出しつつ、彼・マーリンと語るセイバーを見て。
 なんとはなしに??士郎は、想うのである。

「姪と、おじさん」
「はっはっは。そこは、おにいさんと妹、くらいにならないかな」
「それも如何なものかと思いますが。……ふふ」

 穏やかで、のんびりと。
 もしかしたら。伝説的な存在である円卓の日常にも??こうした光景が、いくらか、あったのかもしれないな、等と。

 そして。
 この、冬木での日々が。その続きで、あったらいいな、なんて。

「シロウ?」
「いや。いいお正月だな、と思ってさ」
「ん、……ええ、そうですね。私も、そう思います」

 気付けば、控えめながら、食卓に花が咲いていた。
 さてさて。少し、気恥ずかしくもあるけれど。

 ここで、冬木で、セイバーと生きる。
 まあ、なんだ。こういうお正月を、これからも。迎えられたらいいなぁ、なんて。

 亭主・衛宮士郎は。ゲストが楽しみ、住人が憩うこの居間で。セイバーの傍、そんなことを考えるのであった。


 




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