「さて、次のコーナーは――生っすか!? サンデー☆不定期特別企画!」
「「「突撃! 知り合い3時のおやつショッキング!!!!!」」」
「はいはーい、次は前回大反響を頂きまして、不定期開催が決定したこのコーナーですよ!」
「『私たちの個人的な知り合いの家に電話して、そのおたくの自慢の3時のおやつを聞いて、後日一緒にいただいちゃおう!』というこの企画……何度見ても凄い企画よね、これ」
「ちなみに、おススメのおやつがなかったら、スタッフが用意したおにぎりを一緒にいただくことになるの! ……ミキが行きたいなー、このロケ」
「あはは……。で、では早速、本日のレポーターを呼んでみたいと思います! 現場の貴音さん、真ー!」
「はーい! どうも! 今回は現場からボク、菊地真と」
「わたくし、四条貴音がお送りして参ります」
「貴音、真君、よろしくなのー」
「ところで、今日はどちらのお宅にお邪魔するんですか?」
「あ、はい! 今回は、ボクと貴音、あと美希の知り合いの家に来ているんですよ!」
「わー、立派なお屋敷ですねー」
「大きいのー」
「こちらは、衛宮……、と仰る、珍しい名字のお宅です。縁あって、わたくしと真、そして美希が、こちらの家人の方と面識を得ておりまして」
「そうそう、前にとあるイベントで知り合ったんだよね。それで、今回是非とも、とお願いして、オッケー貰っちゃいました!」
「へえー、美希も知り合いなんだ」
「うん。セイバーさん、って言ってね、すっごくキレイな女の子なの」
「それでは、きょうの『おやつタイム』を提供してくれる方々を紹介します! 衛宮士郎さんと、セイバーさんです!」
「どうも、こんにちは……衛宮士郎です」
「はじめまして。アルトリア・セイバー・ペンドラゴンと申します」
「今日は宜しくお願いしますね! それじゃ、早速お宅にお邪魔したいと思います!」
「趣ある武家屋敷……今ではこのような家も見かけることが少なくなりましたが、見事なものです」
「あはは……ありがとうございます」
「うわー、庭も広いんですね! 土蔵もあるんだ……あ、失礼します!」
「お邪魔します。セイバー嬢より、主人である士郎殿の作られる食事は絶品である、と聞き及んでおります……楽しみですね」
「いやいや、そんな……あまり期待しないで頂けると嬉しいです……」
「居間はこちらです、どうぞ」
「失礼します……と、おや」
「あ、ホントにテレビだー! 凄い!」
「これが、テレビ局の取材……本当にカメラとか照明さんとかいるんだ……」
「い、イリヤスフィール!? リズも!?」
「あ、こんにちは、セイバー」
「こ、こんにちは……」
「え、えーと……こちらの、可愛らしい女の子は……」
「イリヤスフィール・フォン・アインツベルンよ。ごきげんよう、王子様」
「お、王子!? ぼ、ボクは歴とした女の子で」
「それと、貴女……」
「……」
「……ふぅん……ま、いいわ。シロウ、テレビ局が三時のティータイムを取材に来た、ってことは、もうおやつを用意してあるんでしょう? 早速」
「リズ!!!! イリヤ様!!!!」
「……あ、セラ」
「どうしたの? セラ。テレビが来ているのに、そんなにがなりたてて……優雅じゃないわね」
どうしたもこうしたもありません!!!!! 今日は衛宮様にご迷惑をおかけしないよう、とあれほど言っておいた筈です!」
「でも、シロウの作るおやつは美味しいし」
「取材が終わってからでもいいでしょう! はやく出なさい!」
「ちょ、ひっぱらないでよセラ! え、貴女、どこにこんな力……非力なはずじゃ……きゃー!」
「……――」
「……………………」
「――――――――」
「……………………」
「……、……え、衛宮さん」
「は、はい」
「きょ、今日紹介して頂けるおやつはなんでしょう!?」
「……あ、サーターアンダギー、です。ウチで作るおやつの中ではけっこう人気なんですよ。どうぞ、座ってお待ちください」
「ありがとうございます。なるほど、サーターアンダギー……響が聞けば喜びそうな」
「あ、そうだよね。今日も響チャレンジ大変そうだし、後でこれ見たら怒られるかも……」
「お待たせしましたー。ウチのサーターアンダギーです」
「おお……わー、ほくほくですね! 出来たてですか?」
「あ、はい。ロケの時間を聞いていたので、なるべくそれに近くなるようにしてみました。どうぞ召し上がってください」
「ありがとうございます。それでは、いただきます」
「いただきます! ……」
「……、……」
「――、――」
(……シロウ)
(あ、後で温め直すからな。もうちょっと待っててくれよ)
(了解しました)
「……美味しい」
「ほ、ホントに美味しい……! これ、今まで食べたサーターアンダギーの中で一番かも……!」
「ええ……この絶妙なサクサク感、中のほくほく感、甘すぎず、しかしながら上品な甘さを実現している……素晴らしい……」
「コレは人気、というのも分かりますね! 他に、衛宮さんはどんなおやつを作られるんですか?」
「シロウは日におって色々なものを用意してくれます……アップルパイやたいやき、焼きおにぎりにじゃがバター……どれも絶品です」
「そうなんですね。サーターアンダギーがこれだけ美味しいんだから、他のも是非食べてみたいなあ……」
「ふふ。皆にお土産として持って帰ってあげたいくらいです。本日はごちそうさまでした、衛宮殿」
「ごちそうさまでした! 衛宮さんのサーターアンダギーのレシピは、後ほどHPで公開されます! 皆さん、チェックしてくださいね!」
「それでは、スタジオにお返しします」
「――」
「……」
「――美味しそうだったの」
「う、うん。本当に美味しそうだったね。それに、アルトリアさん……あ、セイバーさん、綺麗だったなあ……」
「春香、後で挑戦してみたらいいんじゃない? サーターアンダギー」
「あ、それいいね! 事務所の台所貸してもらってー……っと、そろそろ次のコーナーも紹介しなきゃ」
「とても美味しそうな三時のおやつ、ご提供ありがとうございました、衛宮さん」
「ありがとなのー。今度は、ミキが取材に行きたいな……あ、次のコーナーの前にコマーシャルだね」
「まだまだ続きます、生っすか、サンデー! CMの後も、チャンネルはそのままでっ!」



あとがきへ



いつものページ