「とまあ、そういう話なんだよ」
「お、おう」

 そんな、とある春のうららかな休日。衛宮士郎邸の居間、そのちゃぶ台には、分厚い小説や漫画が何冊も積み上げられていた。持ち主は、美綴綾子。衛宮士郎、セイバーの親友にして、若干どころではないオタク要素を持ち合わせるサブカル好き女子である。

「ニンジャ真実は奥深いんだぜー。セイバーさんもハマったんだし、衛宮もはやくヘッズの世界に入ってくるといいんだけどなー」
「ま、時間があれば、かな」
「つれないなー相変わらず。ほら、セイバーさんを見てみなって」

 綾子は、そう言って庭のほうに視線を向ける。士郎も、同じ方向に目をやった。彼女に言われるまでもなく、庭ではジャージにホットパンツ、という出で立ちのセイバーが、手裏剣術の修行に勤しんでいることは、重々彼も承知している。

「イヤーッ! イヤァーッ!」
「にしても、スゴイよなあ相変わらず。本当にニンジャなんじゃないかって思っちゃうくらいだよ実際」

 そして、その手裏剣術のレベルは、実際にタツジンの域に達していた。元より武芸に関しては超人的な才能を持っている彼女である。手裏剣の投げ方すらも、すぐにコツを掴んでしまっているのだ。当然、綾子が彼女に貸し与えたメディアミックス作品群「ニンジャスレイヤー」の影響、である。

(……まあ実際)

 士郎は、そんな彼女を微笑ましく想いながら、お茶をすする。そう、彼女はある意味、ニンジャ存在に近いんだよなあ、なんどと、思いながら。なんといってもアーサー王だ。ある意味、リアルニンジャと言っていい。

「ふむ……奥が深い。ですが、ヘルタツマキ程度のワザであればなんとかなる気がしてきましたよ、シロウ!」
「セイバーならリアルニンジャにもなれそうだしなー。ニンジャネームはヒロインXとかどうだろう」
「ほう、それはどのような心で?」
「ほら、最近はヒーローでXだとなんか強そうだしさ。ヒロインもありかなって」
「確かに。ザナディウムめいていていいかもしれません。キミとボクの絆を感じる名前――採用の余地がありますね」

 満面の笑みで宣うセイバーと、苦笑しつつ語らう士郎。さて、彼女はどこまで強くなるんだろう――と、フィクションからも貪欲に自らの力を得て行く伴侶の姿を見つつ。ともあれ、何にせよ、今日もセイバーが元気で笑顔であるのが一番だ、と、彼はそう改めて確信するのだった。








 はい、というわけで、今年はニンジャスレイヤーでしたw 
 実際夏コミでこの電波を受信したんですよね。
 ヒロインX対ニンジャスレイヤー=サン。これは4月1日に形にするしかないな、と……w

 とはいえ、このシリーズはぶっちゃけ、4月1日だけじゃなくて、
 ちゃんとシリーズでやってみたいな、という気もしています。
 マッポーめいたネオフユキで繰り広げられるニンジャセーハイ・ウォー。
 それはまるでグランドオーダーめいてゾクゾクする
 新たな地平になりかねないのではないか、などと……w


 なお、SS名の「ラストセイバー・スタンディング」は、ニンジャスレイヤー原作中でも
 屈指の名作「ラストガール・スタンディング」から。
 SSの構成がツイッターアーめいてだいたい140じになっているのも
 ニンジャスレイヤー原作に倣ったから、ということ
 だったりいたします。原作も最高に面白いですよーおススメです。
 こと、物理書籍版。実際分厚くて読み応えがある。

 なお、FGOのコラボ先にニンジャスレイヤーを熱烈希望しているのが
 当管理人になります。アサシン☆5で是非!w 
 グランブルーファンタジーでもいいよ!w

 それでは、また<(_ _)>



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